検証10
「型の相性」は、ほぼ五分だった
49.7%
実力互角での押し相撲側の勝率
結論
押し相撲 vs 四つ相撲——ファンが重んじる『型の相性』を、取組前の強さ指数がほぼ互角の一番だけで測り直しました。押し相撲側の勝率は49.7%。四つ相撲側の50.3%と、ほぼ五分です。強さを揃えずに全対戦を見ると押し相撲側は48.2%ですが、これは四つ相撲型の力士が全体にやや強い影響も混ざります。平均で見れば、『押しは四つに強い』と呼べるほどの差はありません。個々の力士の癖はあっても、型だけで勝敗を決める法則にはならない——相性は物語として面白く、予想材料としては小さい、というのが今の結論です。
この数字をどう読むか
この検証の肝は「実力を揃えた」ことです。全対戦をそのまま数えると押し相撲側は48.2%と負け越しますが、これは四つ相撲型の力士に強い力士が多いことの反映でもあります。取組前の強さ指数がほぼ互角の一番に絞ると49.7%対50.3%となり、差はほとんど消えました。
つまり「押しは四つに弱い」のではなく、「四つを取る力士に強い人が多い」だけだった可能性が高い。型そのものに勝敗を決める力があるなら、実力を揃えた時点でも差が残るはずです。
もちろん、個々の力士には明確な苦手・得意があります。特定の相手に滅法強い力士は実在します。ここで否定されたのは「押しか四つか」という大きなくくりで勝敗を語れるという考え方であって、個別の相性そのものではありません。力士ページの決まり手レーダーチャートで、その人固有の型を見る方が実りがあります。
集計根拠
- 集計期間
- 2000年初場所〜2026年夏場所
- 対象
- 取組前までの決まり手で押し型・四つ型に分けた幕内同士。両者20勝以上の型データあり
- 互角条件
- 取組前の強さ指数差が40以内
- 母数
- 5,145番
- 算出
- 押し相撲型の力士が勝った番数 ÷ 対象番数。49.7%
- 比較
- 強さを揃えない全17,921番では押し側48.2%
読み方の注意
型はその一番より前の勝ち決まり手だけで更新します。平均の差であり、特定力士間の癖まで否定するものではありません。